気象予報士のレベルを上げ、天気予報をより身近なものにしていきたい


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江花 純(えばな じゅん)さん(気象予報士)

ラジオのパーソナリティや独自予報の企画立案にとどまらず、気象コンテンツの監修に加え、
後進の育成にも力を注いでいる江花さん。
今後チャレンジしていきたいことなどについて聞いた。


気象学に精通したSE陣が手がける独自データが強み

――現在は社内システムの監修にも携わっていると伺いました。

社内で気象庁からのデータを独自に分析し、データベースを構築しています。こうすることで、ウェザーマップに所属する気象予報士が自由にアクセスして使うことができます。また、「背景や地図の色を変えて海岸線をもっとはっきりさせたい」など、気象予報士からのきめ細かい要望に対応できる体制を整えています。

―ウェザーマップならではの特色はありますか?

当社でコンテンツの開発やシステムの運用を担当しているSEはいずれも気象予報士の資格取得者か大学院で気象について学んでいたなど、気象に関する知識に精通しています。気象庁からの細かい情報を分析したり、HP向けのデザインを手がけるなど、それぞれ得意分野を活かして業務にあたっています。開発に携わりながら原稿作成や、素材の提供を通じてTV局のサポートを行っている者もいるので、提案営業もできるのが他社にはない強みだと思います。

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――システム運営の難しさはどういうところにありますか?

近年はスーパーコンピューターの進化で情報量が飛躍的に増えるなかで、いかに取捨選択し、誰にとっても使いやすくわかりやすいものを作るかというところが問われるようになっています。

天気情報をより身近に活用してもらうための取り組み

――外部への講演、コラムの執筆など、天気予報の魅力を内外に広くアピールする仕事にも精力的に取り組んでいらっしゃいますよね?

過去には登山雑誌で、いまは農業団体向けにお天気コラムを毎月執筆しているほか、山岳団体など向けに講演を行っています。私の時代では紙で天気図を描くのが当たり前でしたが、いまはPCやスマホが何でもやってくれる時代。予報士の資格を持っていても天気図を描けるのは半数くらいですね。本格的な登山をする人でも天気図をきちんと見る人は少ないようです。時代は変わりましたが、様々な場を通じて、天気をより身近に感じてもらい、活用してもらいたいと願っています。


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<2002年9月、スイス・ブライトホルンにて>

気象予報士のレベルアップに努めたい

――今後、ご自身で取り組んでみたいことは何ですか?

後進の指導に力を入れていきたいと思っています。今年から新人予報士の育成も担当するようになり、各地で定期的に研修を行っていて感じるのは、資格を取得した段階で歩みを止めてしまう方が非常に多いということです。「資格を取ったらなんとかなる」「テレビに出られる」と安易に考えている方が多いのではないでしょうか。

自由に発想するのはいいのですが、なかにはとんでもない解説をする予報士もいて、放送後に「その現象はそういうことじゃない」と注意することもあります。

――気象予報士としてのレベルを上げるためには何が必要でしょうか。

難しいですが、知識を維持しながら、天気以外のことも話せるように見聞を深めてほしいですね。社内には資料も豊富にありますから、そうした環境を積極的に活用してほしいと思います。

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――この仕事に就くにはどういう資質が必要だと思いますか? 

知識を活かし、自由に発想できるのがこの仕事の醍醐味だと思います。わからないことは人に聞くのもいいですが、まずは自分で調べて考えてみるという姿勢が大切です。自分で明日の予報を考えずに、いきなり気象台に「あしたの予報はどうでしょうか」と尋ねる予報士も残念ながら多いのが実状です。逆に、自分の色を出したい人は大歓迎ですよ!

(2017年9月掲載)


073_7D2L0201_2江花 純(えばな じゅん)さん

1969年生まれ。東京都出身。学生時代に山登りのサークルに入ったのがきっかけで、ラジオ天気図を描くようになり、天気に興味を持ち始める。96年からウェザーマップに所属し、TBSラジオで気象情報を伝えるとともに、2007年から3年間は雑誌『岳人』で天気のコーナーを執筆。

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