地元広島で起こった災害に対して何もできなかった悔しさを原動力に


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塚原 美緒(つかはら みお)さん 気象予報士
広島で生まれ育った塚原さん。自然豊かな環境で育つ中で自ずと気象予報士の仕事に憧れを持ったそう。
2014年の広島土砂災害が大きな転機となり、本格的に気象予報士の資格勉強に励み、
気象の仕事に就くまでの経緯を伺いました。


理系が苦手だから一度は諦めた気象予報士。就職後、地元での災害で何もできなかった悔しさから再挑戦

――塚原さんは広島生まれ、広島育ちなんですね。気象の仕事に就きたいと思ったのは、育った環境が関係あるのでしょうか?
はい。小さな頃から山や田んぼに囲まれた自然豊かな所で育ったので、自然を相手にする気象予報士の仕事に自ずと憧れました。小学生の頃に抱いた将来の夢が気象予報士だったんです。ただ、中学、高校と進学するにつれて自分は物理や数学が苦手だということに気付き、断念……。今となっては、文系出身で活躍されている気象予報士の方もたくさんいらっしゃると知っていますが、当時の私はそれだけで諦めてしまいました。

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――再度、気象予報士になろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
転機は地元の新聞社に就職したのちに起こった2014年8月広島土砂災害です。地元であれほどの甚大な気象災害が起きたにも関わらず、知識もなく、何もできないことがどうしようもなく悔しく感じました。例え最終的に資格に結びつかないとしても、気象や自然災害、防災について少しでも知識を身につけられたらと思い、勉強を始めました。


勉強を続けていると、分からなかったことが分かるようになる楽しさに出会える

――当時、前職でのお仕事を続けながらどのように勉強されましたか?
広島には気象予報士のスクールはなかったので、参考書や過去問題を使って自分で勉強するしかありませんでした。でも、何より土砂災害の時の悔しさが勉強を続ける原動力となりました。

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――物理や数学が苦手という部分も乗り越えられたんですね。
かつては苦手教科を理由に尻込みしていましたが、本格的に試験勉強を始めてみると、それはもったいなかったと感じましたね。勉強を続けていると、分からなかったことが分かるようになる楽しさに出会える瞬間が必ずあります。私と同じような理由で挫折しそうな方も、諦めずに挑戦してほしいと思います。


紙の上での勉強だけでなく、日々の天気を肌で感じて経験を取り込む勉強も必要

――気象予報士の資格に合格してからはどうされましたか?
まずは気象予報士の方々のお話を伺うため、広島や福岡の気象予報士会の例会に参加しました。そこでお会いした方からたくさんのアドバイスをいただく中で紹介していただいたのが「ウェザーマップ」でした。調べたところ、ちょうど説明会があるとのことで、思い切って参加。そこでお会いしたスタッフの方からご提案頂き、希望する求人が出た際にはご連絡いただくことになりました。そんなにすぐは希望の求人も出ないと待つつもりでしたが、折よく地元広島での募集があり、迷わず手を挙げました。

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――実際に気象に関するお仕事をされてみて、改めて気象予報士を目指す人へのアドバイスはありますか?
資格を取るためには過去問や教本など紙の上での勉強に注力しがちです。でも気象予報士の仕事には、日々の天気図と実際の天気を見比べたり、外に出て気温や湿度、風の変化を肌で感じたりと、身体を使って経験を取り込む勉強も必要だと改めて感じています。資格を取ったら終わりではなく、日々謙虚な気持ちで天気と向き合い、勉強を続けることが大切だと身をもって実感しています。


tsukahara_21塚原 美緒(つかはら みお)さん

広島県出身。子どもの頃から自然が大好きで、寝る前には必ず植物図鑑を眺めていた。同時に気象にも興味を持ち、自然を相手に仕事をする気象予報士に憧れる。大学卒業後、民間企業に就職。地元の自然災害をきっかけに一念発起し、2016年に気象予報士の資格を取得。2017年よりウェザーマップに所属し、広島テレビ放送で気象キャスターの活動を開始。フルマラソンを走り切るなど、意外と体力に自信有。

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