田地香織(たぢ かおり)さん 気象予報士
幼い頃から自然に接し、毎朝空を見て観天望気を行うなど、気象と親しみながら育った田地さん。クリア(現ウェザーマップ)で働きながら気象予報士の資格をどのように取得したのか伺いました。
観天望気がきっかけで、気象予報士の資格に興味を持つように
――田地さんは幼い頃から観天望気(※1)を行っていたと伺いました。
出身は福井県なんですけど、私の住んでいたところは高い建物などは無く、空一面を眺めることができました。そんな環境からか、自然と毎朝まず起きたら空を眺めて観天望気していましたね。
――観天望気をすることでどんなことがわかりましたか?
例えば、小学校時代は霧に包まれた中を登校する日も。でも “朝霧が出ていたら日中は晴れる”と経験上わかっていたので、そんな日は「お昼休みには外で遊べる!」と楽しみに思っていましたね。中学生の頃には気象予報士の資格があることを知り、その頃から資格に興味を持つようになりました。天気予報は将来のことが科学的に分かる唯一の仕事だと思い、気象に関する仕事に就きたいと思うようになりました。
気象予報士合格後に、再度、苦手分野を勉強し直しました!
――気象予報士の資格を取る前にクリア(現ウェザーマップ)に入社されたそうですが、どんな仕事をされていましたか?
資料請求やお問い合わせ、受講生の管理等、庶務全般を行ってました。また、新たな講座の提案(総合講座DVD&通学コース・実技添削講座)なども経験しました。
――クリアで働きながら気象予報士の勉強を?
クリアに通う受講生たちに交じって勉強をさせていただき、マイペースに勉強をしていました。年月はかかりましたがなんとか合格することが出来ました。
――勉強のコツなどありますか?
私の勉強方法は特殊で(笑)。苦手な分野は諦め、得意分野だけ勉強していたため、全く分からない分野もありました。ただ、苦手な分野に関しては、合格後に勉強し直したんです。クリアでの10ヶ月のカリキュラムの受講を終えて卒業し、その後、合格した生徒や再度チャレンジする生徒の姿を見て、励ます側の私が、逆に励まされていたこともありました。
――気象予報士の資格を取ってからはどうされましたか?
まず、Yahoo!天気・災害の動画に出演させていただきました。毎週1回、1年間勤めました。その他、地方局への放送原稿も書いていました。ただ、東京にいながら地方の原稿を書くのはとても難しかったですね……。
――どういう点が難しかったのですか?
例えば、晴れた日の東京の30℃と沖縄の30℃は、体感温度が全然違います。現在は沖縄で気象キャスターを勤めていますが、沖縄での仕事が決まるまでは行ったことがなかったんです。実際、沖縄に来てみたら、湿度の高さと日差しの強さに驚きました。飛行機を降りた瞬間、体にまとわりつく空気が、もう……(苦笑)。このように実際に行ってみないと、その土地の季節の変化を感じることができないので、地方局の原稿を書くのは難しかったですね。
自分の好きなことに気象を当てはめて、より深く勉強してみるのもおすすめ
――気象予報士を目指している方にアドバイスを。
気象予報士の資格は難しい!ですが、私は何年もかかって合格することができました。気象の事が好きで勉強していれば、諦めなければ、合格できる資格です!ただ、年々難しくなっていると言われているので、私は今受験したら合格できる自信がありませんが……(苦笑)。
――どんな方が気象予報士に向いていると思いますか?
気象が好きであれば、どんな人でも気象予報士に向いていると思います。私は仕事以外でも資格を活かしています。例えば、茶道を習っているのですが、季節の移り変わりと茶道の関係を考えたり。あとは海が好きなので、沖縄で船舶免許も取得しました。天気は、どの業界にでも関わっていると思いますよ。気象予報士=お天気キャスターではないので、自分の好きなことに気象を当てはめて、その世界をより深く知ることも一つだと思っています。
※1:自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測すること
田地 香織(たぢ かおり)さん
福井県出身。幼いころから自然に接し、毎朝空を見て観天望気を行っていた。2015年に気象予報士の資格を取得し、2016年4月からは大好きな海に囲まれた沖縄で気象キャスターを務める。趣味のお茶やゴルフを通じて、季節の移り変わりを伝えていきたい。