増田雅昭(ますだ まさあき)さん 気象予報士
TBSラジオ、テレビの気象キャスターをはじめ、さまざまな天気事業や後進の育成に携わっている増田さん。後輩たちから良き兄貴分として慕われる増田さんに、現在の仕事、将来の天気予報、求められる気象キャスターなどについて話を聞いた。
伝え方を探求し、伝える技術を持った人を増やしていきたい
——将来どのようなことがしたいですか?
時代の流れのなかで天気予報の伝え方は変わっていくと思います。メディアが増えたりするでしょうし、そのときどきのベストな伝え方をつねに探究していきたいですね。また、いままでの経験を活かして、伝える技術を持った人を増やすと同時に育てていきたいとも思っています。的確に、わかりやすく、面白く伝えられる人が増えることで、天気予報がいっそう充実していけばいいなと考えています。
“伝える”気象予報士が増えることで、天気予報はさらに面白くなる!
——気象予報士の数に関してはどうお考えですか?
気象予報士が多いという声もあるようですが、僕は足りないと思っています。現在約10,000名いますが、たとえば、市町村ごとに伝える気象予報士がいたり、企業と契約している気象予報士が増えたりすることで、天気予報は薄くあっさりしたものではなく、より役立つ深い情報に変わっていくはずです。将来的には、もっと自分に合った天気予報がほしいという要求が強まるでしょうから、各地域・企業・個人・メディアに合わせた天気予報を伝えられる気象予報士が多く求められるようになるのではないでしょうか。
個性を大切にしてくれる楽しい会社
——ウェザーマップについてお伺いします。どのような印象をお持ちですか?
ウェザーマップに入って10年になりますが、各気象予報士の個性を大事に育ててくれるうえ、サポート体制が充実している会社です。たとえて言うなら、ウェザーマップはトランポリンで、各気象予報士が自由に飛び跳ねているような。まっすぐ高く跳ぶ人もいるし、クルクル回転しながら跳んだり、みんなの個性を大切に、いろいろな跳び方で楽しく跳ばせてくれる。ビジネスですから厳しさもありますが、個性を活かして面白いことをさせてくれるという印象があります。
研修会や交流会など、コミュニケーションも活発
——コミュニケーションはどのような感じですか?
日本全国にウェザーマップ所属の気象予報士がいますが、各地域ごとに研修会や交流会が開催され、集まる機会は多いですよ。誰かの放送を見て議論したり、質問や相談なども先輩キャスターが親身に応えてくれます。そして、そのあとは楽しい飲み会(笑)。
経験はアドバンテージ、チャンスを求め登録を
——気象予報士のニーズに関して教えてください。
2つの大きなニーズがあって、若い新人の気象予報士が求められる一方で、経験者も求められています。気象キャスターの経験がある人はもちろん、天気関連の実務をやっていた経験者を求める放送局もあります。経験は間違いなくアドバンテージですね。とくに東日本大震災以降、自然災害に対する認識が変わったためか、それぞれの土地で顔になる、頼れる気象予報士を求めている傾向があります。自分の出身地や好きな場所で天気予報に携われるチャンスですので、ぜひ登録してみてはいかがでしょう。
増田雅昭さん(ますだ まさあき)さん
1977年12月26日生まれ。滋賀県出身。横浜国立大学経営学部卒。大学在学中に気象予報士の資格を取得し、テレビ朝日「ニュースステーション」に学生予報士として出演。気象キャスターをしながら、企業・自治体・個人などへのオーダーメイド予報や気象相談員・アドバイザーも長年担当。ネットに気象関連のコラムを執筆するほか、災害から身を守る気象情報の使い方などの講演も行っている。趣味は野球、スノーボード、スポーツと天気の関係をさぐること。