勝丸 恭子(かつまる きょうこ)さん 気象予報士
広島通検定に合格するなど、大好きな地元広島県で気象キャスターとして活躍する勝丸さん。
報道記者から気象予報士にチャレンジしたきっかけなど語ってもらった。
クリアの原稿講座に通ったことで「資格を取る」から「仕事にする」という目標に変わった
――勝丸さんは大学卒業後、地元広島県の広島テレビ放送に入社されましたが、どんなお仕事をされていたのですか?
報道記者や中継ディレクターなどを経験しました。伝える仕事のやりがいや楽しさを感じさせてもらいましたね。
――そのお仕事から気象予報士に興味が湧いたきっかけとは?
事件事故・災害が起きた後の現場に行き、「せっかく人に伝えるなら、もっと喜んでもらえる、役立つ情報を」と思うようになったのが方向転換のきっかけです。たまたま趣味で始めた気象予報士の勉強がおもしろくて、「これを伝えたい!」と思って真剣に資格取得に向けて勉強しました。
――どのように勉強されたのですか?
主に通信教育でしたが、資格を取れたらなるべく早く仕事に生かせるようにと先を見据え、毎週末クリアの原稿講座に通った時期もありました。『資格をとる』という漠然とした目標から、『仕事にする』というリアルな目標に変わった気がします。
とにかく自ら行動!気象に携わる一歩を踏み出すため、広島から関東へ!
――気象予報士の資格を取得後は、どのように活動されましたか?
とにかく気象に携わる一歩を踏み出したい、経験を積みたいと思い、アナウンサーの読む天気原稿を書く派遣の仕事をするために、広島から関東へ引っ越しました。
――すごい行動力ですね!
ある日、引っ越し先の近くで森田さんの出版サイン会が開催されることを知って、「ウェザーマップでぜひ天気の仕事をしたいです!」と手紙を書いたこともあるんですよ。仕事のため直接は渡しに行くことはできませんでしたが、書店の人にその手紙を託しました。森田さん本人がその手紙を読まれたかどうかはわかりませんが、のちにウェザーマップから連絡をもらったきっかけになりました。
――ウェザーマップはどんな会社ですか?
所属している気象予報士は全国各地にバラバラになっていても、チャットワークなどで連絡を取り合ったり情報交換をしあったり、年に何度かは集まったりと連帯感がありますね。地方局で気象予報士が一人や二人という体制で仕事をしていると、孤独を感じることも正直ありますし、不安になることもあります。そういった時のサポートや、全国各地に仲間がいるという安心感はあるかもしれません。実際、放送でも全国のウェザーマップ所属の気象予報士から協力を得て放送したネタもありますよ。
気象キャスターには人が何を求めているのかを客観的に見る力が必要
――実際に気象のお仕事をされてみると、気象予報士にはどんな意識や能力が必要だと思いますか?
未来を予想することができると思い気象予報士の勉強を始めました。でも、取得後に気象のお仕事をしてみると、実は未来を知るために現状を把握し、過去を分析する力が大切だな、とつくづく実感していますね。
――勝丸さんが気象予報士に向いていると思うのはどんな人ですか?
予報することを主にするのか、放送などで解説をするのかで向き不向きは少し違うようにも思います。気象キャスターならば、自分が知っていること、言いたいことを伝えるのではなく、人が何を求めているのかを客観的に見る力が必要です。専門的な知識がたくさんあるに越したことはありませんが、それをどこまで説明するかの取捨選択や、どういう言葉を使えばわかりやすいかを考える力も大切です。国語力なのか、表現力なのか……。あとは、天気予報は生放送ですから、ハプニングに対処できたり、とっさの判断ができることも大切かもしれませんね。
勝丸恭子(かつまる きょうこ)さん
広島県出身。横浜国立大学を卒業後、広島の民放に就職し、報道記者や中継ディレクターを務める。退職後、気象予報士の資格を取得し、2010年からNHK広島放送局気象キャスターとしてテレビ出演中。カープとお好み焼きが大好き!という地元愛と、民放での取材・制作経験を活かして、分かりやすく楽しい気象コーナーを目指している。