任される仕事も多い地方局での仕事は、自ずとスキルアップできるチャンス!


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浜崎慎二(はまざきしんじ)さん(気象予報士)

地元の北海道で気象キャスターとして活躍されている浜崎さん。
気象予報士として初めての仕事から、地方局で仕事をするメリットなどについて語ってもらった。


読み手を踏まえた原稿をていねいに作った基礎が、今活かされている

――ウェザーマップに所属して、どんなお仕事から始まりましたか?

 最初は東京の事務所で書いたアナウンサー読みの原稿を、地方のテレビ局へ送る仕事をしました。その後、実際にテレビ局内でアナウンサー読みの原稿を書いたり、メニューを決めたりという仕事をしました。

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――原稿を書く仕事が、今の気象キャスターの仕事に与えた影響は?

 最初の頃は、正直いっぱいいっぱいで、ただ書いて完成したものを送るという状態でした。それがその後、直接放送局に行って読み手のアナウンサーの方などと交流するようになると、「この人にはこういうやわらかい言葉遣いが合うのでは」とか、「この人の読むペースならこのくらいの分量でちょうど尺どおりかな」とか、原稿が“読み手を通して伝わるもの”という意識をするようになりました。今では原稿は書かずに、自分で考えた言葉で自分がしゃべるというスタイルになりましたが、当時色々考えてていねいに原稿作りをした基礎があるからこそ、今のスタイルで仕事ができていると思います。


地方局での仕事は大変なことも多いけれど、大幅にスキルアップできる

――現在NHK札幌放送局の『ほっとニュース北海道』に気象キャスターとして出演されていますが、北海道は面積も広く、他の地方局とは違った難しさがありそうですね。

 そうなんです、面積が広い一方で放送の時間は限られているため、情報の取捨選択が非常に難しく感じます。ただ、そうした中でも視聴者にとって必要な情報は何かを考えるところにキャスターの存在意義があると思っています。また、地域の気象は”クセ”があり、気象予報士の資格を取るときには勉強しないようなこともたくさんあります。このため、資格を取った後も現地の気象と向き合いながら勉強の毎日です!

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――地方局でのお仕事のメリットは何だと思いますか?

 自ずと仕事のレベルを上げられることが地方局勤務のメリットですね。地方局では私のように、気象予報士が一人の場合、放送の内容を任されることがほとんどです。予報以外にも気象に関する問い合わせがきたり、天気が荒れそうな場合は自分からデスクなどにプレゼンをしたりすることもあります。はじめはパンクしそうなくらい大変ですが、それに慣れたころには大幅にスキルアップしていることに気づきます。


一歩一歩地道に知識を積み重ね、長く愛される気象キャスターを目指して

――放送前にいつも外に天気をチェックしにいかれるとか。

 出勤のときにも家から局までおよそ6キロ、1時間半くらい外の様子を見ながら歩いて通っています。その日にやるネタを考えたり、こんな花が咲き始めたなど街の様子をチェックしています。局について昼間に外に出たときには、朝と比べて外の様子はどう変わっているかを見ていますね。例えば、気温が急に上がってきたとか、雲が多くなってきた、風が強まってきたなど……。

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――それを予報に活かしているんですか?

 予報に活かせる部分としては、北海道の中の札幌から見渡せる空の様子を見ても、実は大きく役立つことはありません。ただ、外の様子を見たかどうかで、自分が自信を持って予報をお伝えできるかどうかという、精神的なところには多少関わってきますね。あとは、昨日出した予報の答えがそこにあるので、当たったか外れたか、外れた場合はどのように外れたのかもチェックしています。

――今後はどんな気象キャスターを目指していらっしゃいますか?

 長く愛されるキャスターを目指したいと思っています。気象は知識の積み重ねが重要です。過去の天気を知識として蓄えることに加え、日々の天気もしっかりと経験して自分の中の引き出しに入れていきたいです。また、キャスターとしては知識に加え、情報の伝え方も大切だと思っています。同じ現象をより多くの切り口や方法で伝えられるよう、他のキャスターの天気予報の研究なども続けていきたいですね。一歩一歩地道に積み重ねていくことで長く続けられるキャスターに、そしてそれが実現した際には、そのノウハウをどんどん伝えて後進の育成も行いたいと思っています。


D09T4922浜崎慎二(はまざき しんじ)さん

1986年北海道室蘭市生まれ。小樽商科大学を卒業後、一般企業に入社。書店でかねてから興味を持っていた気象予報士のテキストと出会い、働きながら資格取得に挑戦。勉強を開始して1年で資格を取得。2011年10月から株式会社ウェザーマップに所属。テレビ番組のサポート業務を経て、2013年度からはNHK札幌で気象キャスターを務める。2015年には室蘭市の『ふるさと大使』に就任。講演会など地元に密着した活動にも力を入れるとともに、地域に根ざした気象情報を目指している。

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