勝丸 恭子(かつまる きょうこ)さん(気象予報士)
広島通検定に合格するなど、大好きな地元広島県で気象キャスターとして活躍する勝丸さん。
今後目指している将来像などを語ってもらった。
視聴者からかけてもらう言葉が「わかりやすい」から「楽しい」に変わったことがうれしい!
――現在、どのようなお仕事をされているか教えてください。
NHK広島放送局で夕方~夜の天気予報の気象キャスターをしています。そのほかにも、防災に関する講演の機会も多くいただくようになりました。講演のお仕事は、テレビとは違ってみなさんの反応が直接返ってくるぶん、緊張感もありますが元気をもらえる仕事です。また、中国新聞に毎週一回コラムも書いています。あとは他局のラジオに呼んでいただいたり、カープファンを代表して(?)、優勝特番にも出演するなど気象以外のお仕事も(笑)。
――広島愛がひしひしと伝わってきますね。お仕事されていてうれしかったことはどんなことですか?
視聴者の皆さんからかけていただく言葉が「わかりやすい」から「楽しい」へ変わった時はうれしかったです。あとは、子どもたちも天気にまつわる質問のお便りや、絵を送ってくれることですね。
見たくなる楽しいコーナーを作ることが、遠回りでも防災への関心を高めるきっかけになればと願う
――地方局での天気予報の役割はどんなところにありますか?
全国放送の天気予報よりも長い時間を割いて、特定の地域の予報を詳しく毎日放送します。ですから、きめ細かな天気予報は地域の放送局が頼りにされていると思います。天気予報だけではなく、豆知識のコーナーなどにたっぷり時間を割けるのも地方局ならではかもしれません。
――どんなコーナーづくりをされていますか?
私は、必要な天気予報を伝えるだけではない、見たくなる楽しいコーナーを作りたいと思っています。現在は例えば、データ放送を使って視聴者が双方向で参加できるクイズコーナーと、視聴者の疑問に答えるコーナーを週に各1回ずつ設けています。そういった番組作りが遠回りかもしれませんが、空や気象への興味につながり、防災への関心を高めるきっかけになればと願っているからです。
――広島では平成26年に大規模な土砂災害もありました。
はい。私も発災直後は早朝~夜まで1時間おきの気象情報を担当しながら、現地にも足を運びました。災害があったときは、現場を知って情報発信をすることが何より大切だと思います。その後は県内各地の災害の歴史を放送で紹介するなど、防災についての意識を高めてもらおうという取り組みも力を入れています。
いざという時に視聴者の方が私の発信を信頼して見聞きしてもらえるよう
――今後の目標を教えてください。
少しでも長く、今の仕事を続けることです。広島で「気象予報士と言えば!」という存在になりたいと思います。そのためには、現状維持では停滞どころか下降するばかり。毎年必ず、わずかでも良いので新しいことに挑戦するのが目標です。どこよりも見たい・楽しい気象情報にしたいと思います。そして何より、気象情報はいのちを守る情報。いざという時に視聴者のみなさんに私の発信を信頼して見聞きしてもらえるよう、日々を積み重ねていくことが大切だと思っています。真摯に天気に向き合い、心を尽くして伝えていきたいと思っています。
勝丸恭子(かつまる きょうこ)さん
広島県出身。横浜国立大学を卒業後、広島の民放に就職し、報道記者や中継ディレクターを務める。退職後、気象予報士の資格を取得し、2010年からNHK広島放送局気象キャスターとしてテレビ出演中。カープとお好み焼きが大好き!という地元愛と、民放での取材・制作経験を活かして、分かりやすく楽しい気象コーナーを目指している。