超安定志向の自分が、まさか「自分の腕一本で食べていく」職人になるなんて


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千種 ゆり子(ちくさ ゆりこ)さん 気象予報士
東日本大震災をきっかけに、会社に頼らず自分の実力で生きていこうと決意、かねてから興味があった気象の世界へ飛び込んだ千種さん。仕事の広がりに魅力を感じ気象キャスターを目指すようになった経緯など伺いました。

本を出したり、講演をしたり。活動の幅が広いことに魅力を感じ、気象キャスターを志すように

――一般企業にお勤めだった千種さんが気象予報士になろうと思ったのは何かきっかけがあったのですか?
 きっかけは東日本大震災でした。大手企業に入社しましたが、震災という自然災害によって経営が大きく傾いてしまったんです。それで「大きな会社に頼るより、自分の実力を身につけて社会を渡り歩けるようにしよう」と思い、気象予報士の資格を取ることにしました。私、超安定志向の人間だったんですけどね……(笑)。

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――もともと気象には興味があったんですか?
 小学校の時から地球温暖化問題に興味があり、地球温暖化防止のために何かをしたいという思いはありました。しかし自分には、何をしたらいいかというビジョンもなく、地球温暖化についての知識も不十分なことに気づきました。まずは地球の気温や天気について基礎的な知識を身につけたいと思い、気象予報士に興味を持ちました。

――現在、気象キャスターをされていますが、最初からキャスターを目指していたのですか?
 資格勉強を始めた時は気象キャスターに絶対なる!という強い気持ちはありませんでした。ただ、勉強をしているうちにテレビに出ている気象予報士に注目するようになり、意外と活動の幅が広いことを知ったんです。本を出したり、講演をしたり。一般の方向けの地球温暖化の講演は、私が元々興味を持っていた仕事と近かったので、気象を入口にして幅広い仕事ができそうなキャスターを志すようになりました。

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試験勉強のモットーは、講座1割、復習9割!毎週の繰り返しでコツコツと

――クリアに通って資格の勉強をされたそうですね。資格勉強をしている方にアドバイスはありますか?
 私の試験勉強のモットーは、講座1:復習9。ひとりで予習しても理解できないので、敢えて予習は全くしませんでした。授業で習った箇所を①ノートにまとめ②参考書の該当部分を読み、ノートに書き加え③該当部分の問題集を解き、答え合わせということを毎週繰り返しました。

――今ではクリアの講師も務めていらっしゃいます。
 はい。講師の先生から声を掛けていただき、月1回ほど務めることになりました。改めて受験用の参考書を開くと「あれ?そうだったっけ?」ということがいっぱいで(苦笑)。私にとっても学び直しの良い機会になっています。

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――気象予報士の資格を取ってからはどのように動いたんですか?
 ウェザーマップに登録しました。登録はクリアの先生に勧められるままに、そのまま流れで(笑)。最初の経験は地方でと思っていたので、最初に募集の来たNHK青森のオーディションを受けたら、まさかの一発合格。すぐ仕事があるかわからなかったので、前職の企業は気象予報士としての仕事がしっかり決まってから退職しました。

――最初に地方でと思われたのはなぜですか?
 最近は気象災害の頻発から地方局の気象予報士のニーズが増えていますし、まずは経験を積むために地方局に行きたい!という気持ちが大きかったんです。

テレビ局での気象予報士の仕事は長距離走ではなく、短距離走!短期集中型の人が向いている

――所属されているウェザーマップは千種さんから見てどんな会社ですか?
 実は創立から20年以上経っているのですが、“創立5年目くらい、勢いがあるベンチャー企業!”って感じですね。所属予報士も増え続けていて、とても勢いがあります。それは、個性豊かな優秀な人材が揃っていながら、皆で高め合おうという雰囲気があるから。特にここ数年はその雰囲気が強くなってきた気がして、会社に勢いを感じます。また、やりたいと手を挙げれば機会をいただけるし、成長するチャンスがたくさんありますよ。

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――気象予報士、特に気象キャスターを目指す人にアドバイスはありますか?
 テレビ局での気象予報士の仕事は「長距離走ではなく短距離走」です。毎日の放送に向かってダッシュして、放送が終われば一息つけます。私自身も実際の長距離走は苦手。短距離走が大好きです(笑)。そういう意味で、短期集中型の人が向いていると思います。

(2017年9月掲載)


icon千種 ゆり子(ちくさ ゆりこ)さん

埼玉県富士見市出身。一橋大学法学部を卒業後、一般企業に就職。阪神淡路大震災、東日本大震災をきっかけに防災の道に進むことを決意。2013年に気象予報士資格を取得し、2014年4月から2年間、お天気キャスターとしてNHK青森放送局に勤務。2016年4月からはテレビ朝日でニュース原稿作成などのデスク業務を行う。2016年には、出身地である埼玉県富士見市のPR大使に就任。2017年1月から、テレビ朝日のスーパーJチャンネル(土曜)の気象コーナーを担当。

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