杉澤綾華(すぎさわ あやか)さん(気象予報士)
信託銀行員から気象予報士へと、異色の経歴を持つ杉澤さん。
縁もゆかりもなかった愛媛県で気象キャスターとして奮闘中です!
「明日の天気を自分で予想できたら便利だな」って……
―信託銀行でお仕事をされていた杉澤さん。気象予報士になりたいと思ったきっかけは何だったのですか?
信託銀行では、多岐にわたって広く浅く仕事をすることが求められていました。やりがいもあり楽しかったのですが、だんだん一つのことを深く追求しながら働きたいと思い始め、転職を考えたんです。そこで、何か新たに勉強しようと考えたとき、以前から興味があった気象の勉強をしようと。中学生のころから理科が好きで、なんとなく自然の不思議・仕組みに興味を持っていました。ふと、「明日の天気を自分で予想できたら便利だな」と思い、勉強してみようと思ったんです。
―まったく違う分野に飛び込む怖さ、不安などはなかったんですか?
人生一度きり!楽しいと思えること、好きだと思えることを仕事にしたいと考えたので、不安はほとんどありませんでしたね。
―具体的にはどのように気象予報士の勉強をされたのでしょうか?
2012年の4月から、気象予報士受験スクール・クリアの総合講座10カ月通学コースに通い始めたのをきっかけに勉強を始めました。そのあと、中上級講座、直前対策講座に通ったので全部で1年くらいクリアには通いました。
平日は仕事後にカフェに寄り、だいたい20~21時ごろから2時間くらい勉強しました。休日は基本的に一日勉強。会社の夏休みや年末年始の休暇もすべて勉強に費やして、とにかく短期間で資格を取得したいと考えました。そして、2013年10月に気象予報士の資格を取得しました。
―クリアに通って良かった点はどんなところですか?
自分と同じように社会人で勉強している人も多く、意識の高い人ばかりで刺激になったことですね。先生の授業も分かりやすくて面白く、ご厚意で補習もして下さり、力になりました!
自分の予想に対する答えが、明日になれば出る!
―資格取得後、現在の気象キャスターになるまでは?
クリアの先生に「まずクリア登録(現・応援ナビ登録)をしたほうがいい」と勧められ登録し、信託銀行の仕事を続けながらオーディションを受けました。でも、なかなかうまく進まず……。もうオーディションはいいかな……と思っていたところ、2014年3月に入ってギリギリの時期にNHK松山の募集があり、迷った末に応募。運よく採用していただきました。私は埼玉県出身で、愛媛県との縁もこれまではなく、なぜ採用されたのかいまだによくわかりません(笑)。そのときの面接で話が盛り上がったのは、これまでの仕事の話(信託銀行員時代の話)などでした。強いて言えば、飾らずに今までやってきたことを話したことがよかったのかも……?
―ウェザーマップ社はどんな会社ですか?
森田正光代表をはじめ、個性豊かな予報士がたくさん集まっています。それぞれが、それぞれの得意分野を持っていて、個人戦のようでありながら、高めあい、助け合い、団体戦もできる印象ですね。
―気象予報士のお仕事で、難しい点ややりがいは?
難しいと感じるのは、天気図や数値予報上では分からない、局地的な現象の予想。伝える面では、簡単すぎても難しすぎてもダメだというところ。やりがいを感じるのは、番組を見ている人から声をかけてもらったときや、職場の同僚に頼ってもらえたときですね。
―気象予報士資格取得を目指す方へアドバイスはありますか?
前向きで、探究心のある人や、人の気持ちを考えられる人が向いていると思います。気象予報士の仕事って、“明日が楽しみになる仕事”です。自分の予想に対する答えが明日になれば出るから……。気象予報士の資格を取得するのは大変ですが、楽しみながら勉強をした先に合格があり、その先にはもっと面白い世界が広がっていますよ!
杉澤綾華さん(すぎさわ あやか)さん
1987年9月15日生まれ。埼玉県出身。日本女子大学卒。大学卒業後は信託銀行に就職。
季節のにおいや空が大好きで、「明日の天気を自分で予想してみたい」と思ったことがきっかけで気象予報士試験の勉強を開始。2013年10月に資格を取得。2014年よりウェザーマップに所属し、現在は気象キャスターとしてNHK松山放送局「ひめポン!」(月~金)に出演。「分かりやすく、そしてたくさんの人に天気に興味を持ってもらえるような気象情報」を心がけている。