気象学の知識を持ち、かつ技術力のあるエンジニアになりたい


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高野 雄紀(たかの ゆうき)さん 気象予報士・東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻(在学中)
気象データを加工し可視化するシステムを開発し、気象予報士の業務支援を行っている高野さん。
今後目指している姿や、注目していきたい研究分野について語ってもらいました。


自分の作ったツールの良い点、悪い点のフィードバックがもらえる恵まれた環境

――現在、高野さんが開発しているツールについて詳しく教えてください。
気象庁の気象データをWebから見られるよう可視化したり、さらに放送などで使えるような絵として出力できるようなものです。その中でも衛星画像の作成など、気象学の知識を求められる仕事を担当することが多いですね。過去には雲を解説するのに適したひまわりのカラー合成画像を独自に開発したりもしました。

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――ツールを作る上で苦労している点や、やりがいはどんなところにありますか?
気象現象について厳密に説明しようとすると、難しすぎて視聴者に伝わりません。でもわかりやすく伝えようとすると、逆に正確さを失ってしまいます。その間のバランスをとるのが難しいと感じます。しかし、これが仕事の腕の見せ所だとも思います。やりがいは、やっぱり自分の作ったツールが実際に社内の人に使ってもらえることですね。良い点や悪い点についてフィードバックがもらえる、とても良い環境で仕事ができていると思います。

さまざまな気象データを持ち、世の中にとっておもしろい情報を提供できる潜在力のある会社

――ウェザーマップはどんな会社だと感じていますか?
まだまだ小さな会社ですが、その一方で自由度が高いと思います。気象会社としてさまざまなデータがあるため、それらを使いこなせれば世の中にとってもおもしろい情報を提供できるポテンシャルがあると思います!それに多彩なバックグラウンドを持つ人がいておもしろいですし、人間関係では距離感が適切に保たれていると感じます。例えば、会社全体のイベントもありますが、参加は強制されないため、私のように人付き合いがそれほど得意でなくても居心地が悪いということはありません(笑)。

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――ウェザーマップの強みとは?
気象解説向けの画像を作る開発から、天気予報の原稿やテレビ局のデスクで専門的な知識を使うサポート業務、出演して伝えるキャスターまで、気象データを『見せる・魅せる』ことに関して強みを持っていると思います。詳しくない分野のことについては他の人に聞くなどして協力して仕事ができますし、チームワークはいいですね。

社会的に需要のあるメソ気象やエアロゾルについての研究をフォローしていきたい

――大学院でも学ばれていますが、今後注目していきたい研究分野はありますか?
メソ気象(集中豪雨など)やエアロゾル(PM2.5や黄砂)についての研究は、社会的にも需要があるのでフォローしたいと考えています。

――近年、集中豪雨での被害も増えていますが、現状では予報が難しいんでしょうか?
積乱雲によるにわか雨などは、位置や時間を当てることは直近でさえも難しいんです。そのため、直近の天気予報が外れるように感じるかもしれませんね。でも、数値予報モデルも日々高度化し進歩しており、また気象現象の研究なども進められています。こうした成果により、すぐにとは言いませんが10年くらいのスパンで見ると予報が当たるようになっていくと思います。

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――今後の目標を教えてください。
さまざまな気象データを簡単に見られるツールを作ることが目標です!また、気象学の知識を持ち、かつ技術力のあるエンジニアになりたいと考えています。気象データをどう表現するか、というところに気象学の知識が必要となるからです。


131_7D2L0345高野 雄紀(たかの ゆうき)さん

もともと物理に興味があったが、中学での地学の授業で、天気が物理法則で表されることを知り、気象に関心を持つようになる。その後、高校1年次に気象予報士資格を取得。現在は、大学で気象学を学ぶ傍ら、原稿作成業務や社内向けシステムの開発業務に携わる。

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