國本 未華(くにもと みか)さん 気象予報士
小学生の頃から気象キャスターに強く憧れていた國本さん。気象予報士に合格後、途方にくれたこともあったという気象キャスターとしての仕事につくまでの道のりについて伺いました。
小さい頃は毎朝お天気キャスターから元気とやる気をもらっていました
――國本さんが気象予報士に興味を持ち始めたのはいつ頃からなんですか?
小学生の時、テレビで天気を伝えるお天気キャスターに強く憧れていました。毎朝、天気予報(と星座占い)を見ないことには学校に行かない子どもで、お天気キャスターから元気とやる気をもらう日々。天気予報を見られなかった日は一日とてもブルーな気持ち(笑)。私もいつか誰かの生活に欠かせない存在になりたい!と思うようになったのも、この頃です。
――実際に気象予報士の勉強を始めたのはいつからですか?
大学生になって真剣に自分の進路を考え始めたとき、心からやりたいと思えることは天気の仕事しかありませんでした。資格試験の合格率が低いことを知ったものの、勉強し努力して叶えられる夢ならばやるしかないと思い、クリアに通うことにしました。クリアに通ったことで勉強を効率よく進められたので短期で合格することができたと思っています。
合格後、なかなか気象キャスターの仕事はなく……でも一本の運命の電話が!
――気象予報士に合格されてからはどうされましたか?
当時は、今のように気象予報士登録の制度はなかったので、資格を取ったもののどうしたらお仕事をいただけるのかわからず、本当に困っていました。そんな時に、クリアの先生に相談にのっていただいたんです。そしてウェザーマップの方を紹介していただき、お会いすることができました。でも、その時は仕事がなく……。途方に暮れ、他の気象会社の新卒採用試験を受けたものの結果はダメ。将来への不安が募っていたタイミングで、私の運命を変える一本の電話がかかってきたんです!
「2011年頃、e-天気.net卒業時の1枚」
――運命を変える電話とは?
ウェザーマップの方からの電話で「スカパーのお天気専門チャンネルのオーディションがありますが受けませんか?」という電話でした。それに合格し、初めてお天気キャスターの仕事をいただくことができたんです!当時は棒読みでものすごく下手だったので、今思うとよく合格できたなぁと……(苦笑)。
――最初にウェザーマップとのつながりがあってよかったですね。
はい。ウェザーマップは、お天気キャスターになるという私の夢を叶えてくれた場所です。ただ、お天気キャスターになったことがゴールではなくて、そこからが始まりだと思っています。成長し続けなくてはと思うことができるのは、周りから良い刺激を受けているからだと思います。
気象キャスターはよくよく考えることが好きだけど、くよくよしない人に向いている
――周りから刺激を受けるとのことですが、ウェザーマップはどんな環境なんでしょう?
私と同じようにお天気キャスターをやりたいという思いを持った人が多く、切磋琢磨できる環境です。全国各地にいる弊社のキャスターは積極的に現地の情報を発信してくれますし、天気の道で何十年という大先輩もいる。いろんな視点から天気のことを考え学ぶことができるんです。
――そんな多くの気象予報士を見ていて、特に気象キャスターにはどんな人が向いていると思いますか?
よくよく考えることが好きだけど、くよくよしない人に向いていると思います。テレビに出ている気象予報士を見ると華やかな仕事のように思えるかもしれませんが、オンエアの準備にはたくさんの資料を見て分析します。あるひとつの現象について、複数の要素が絡み合っていることが多いんです。だから日々の業務では、何が原因で何が起きて、どこでどんな影響が出るのかと、いろんな可能性をじっくり考えます。自分なりに根拠を持って答えを導こうとする姿勢が大切だと思いますね。また、自然が相手なので、予報が外れてしまうこともしばしば……。でも、くよくよするのではなく、予報が外れたときはその理由をよく考えて次にいかすことができれば大丈夫だと思います。
(2017年9月掲載)
國本 未華(くにもと みか)さん
北海道室蘭生まれ、東京育ち。早稲田大学在学中、幼い頃からの憧れであったお天気キャスターを目指し勉強を始め、大学三年生で資格取得。同年、健康気象アドバイザーの資格も取得。大学在学中からウェザーマップに所属し活動を始め、卒業後はテレビ東京、TBSテレビ、日本テレビなどにも出演し、主に報道番組を担当。雑誌の取材やコラムの執筆、講演会、子供向けのお天気教室などの仕事も受け持つ。好きな季節は真冬で、趣味は北海道旅行と動物観察。