「聞いておいてよかった」と思ってもらえるような気象情報を


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久保井朝美(くぼい あさみ)さん 気象予報士
2015年11月からウェザーマップの専属気象予報士として各メディアで活躍中の久保井さん。
天気を伝えるプロとして心がけていることなど、たっぷりと語ってもらった。


念願の気象キャスターとしてキャリアをスタート

―資格を取ってからはどうされましたか?

 資格取得のために通っていたクリアでは気象予報士の就業支援制度があったので、まずそこに登録しました。放送局のオーディション情報などをいただけるので、自分がトライしたい仕事に応募してオーディションを受けました。現在はTBSテレビ『ウィークエンドウェザー』(関東地方の予報)や、TBSのCSニュース専門チャンネル『TBSニュースバード』内のお天気コーナー(全国の予報)などを担当し、気象キャスターとして出演しています。表に出ない仕事としても、TBSテレビ『情報7daysニュースキャスター』内のお天気コーナーの原稿を作成する仕事なども担当しています。

 

―ある日のスケジュール―

16:00 TBS出社
天気図の解析
ディレクターと話し合い、CGなど番組の流れを考える
17:10 メイク、着替えなど
18:00 17時更新の最新の予報を見つつ、最終打ち合わせ。自分で天気をまとめる
18:20 CGルームで画面、流れの確認
18:30 スタジオリハーサル
18:50 「ウィークエンドウェザー」O.A.
19:10 反省会
19:30 番組HPのコラムを書いて更新
21:00 お天気コーナーのサポートを務める
「情報7daysニュースキャスター」の原稿作成
22:15 専属気象予報士をつとめる翌日の「サンデーモーニング」打ち合わせ。
翌日の大体の予報を伝える
24:00 TBS退社
近隣のホテルに宿泊(仮眠)
翌4:30 TBS出社
5時の予報をチェックして「サンデーモーニング」打ち合わせ
朝食など
8:00 「サンデーモーニング」番組立ち合い
※台風など有事の際には出演する場合もあり
10:00 番組立ち合い終了。
TBS退社

久保井朝美の写真


「聞いておいてよかった」と思ってもらえるような情報を

―気象キャスターとして心がけていることはありますか?

 一つのストーリーとして天気を伝えたいなと思っています。「晴れです。降水確率は○%です。気温は○℃です」ではなく、「関東地方は晴れるでしょう。でも午後ちょっと降水確率が高くなるんです。なぜかというと気温を見てください。実は関東地方はかなり暑くなるので、暑くなると午後は夕立に注意が必要です」といったように……。短い尺の場合でも、今日はこういう一日なんだという、大きな流れがわかってもらえるように気を付けています。

 あとは「晴れです」だけではなく、「だから、こうしてください」という情報を付け加えるようにしています。例えば、「晴れて日差しが強いので、紫外線対策をしっかりしたほうがよさそうです」とか、同じ雨でも「風も強くて荒れた天候になるので、大きい傘で出かけてください」なのか、「午後にわか雨があるかもしれないので、折りたたみ傘を持って行ったほうがいいですよ」なのか。視聴者の方がより具体的にイメージしやすいように、その日どうやって行動したらいいのかがわかるような情報をプラスするようにしています。

インタビュー中の久保井朝美の写真

―確かに、そういう情報を知っているか知らないかでは大きく違いますね。

 天気、気温、降水確率だけであれば、今はインターネットのほうが手軽に、詳しく教えてくれるじゃないですか。でもこうした情報や、例えば「晴れていても山沿いでは雷雨があるかも」といったピンポイントの情報なんかは、天気予報のマークだけでは表せませんよね。インターネットの情報ともうまく共存しつつ、そういうマークには表れないことを言葉で伝えていくのが、私たち気象キャスターの仕事だと思っています。


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久保井朝美さん

1988年9月20日生まれ。愛知県出身。慶應義塾大学文学部卒。前職はアナウンサー。気象キャスターとして現在はTBS「ウィークエンドウェザー」、TBS「TBSニュースバード」、JFN「OH!HAPPY MORNING」、Yahoo!天気・災害動画等に出演中。歴史と漢字が大好きで、日本城郭検定2級、漢字検定1級も取得。ライフワークは全国の城めぐり。

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